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第9章【確定申告】最短ルート(弥生青色/白色)
なぜ「青色+e-Tax+電子帳簿保存」をやるだけで最大65万円控除になるのか
確定申告の世界で 「青色65万控除」 という言葉が出ますが、要件を満たさないと 55万円または 10万円しか取れません。
短気な読者向けに結論から言うと、65万円控除の条件はたった3つ。
- 複式簿記で記帳
- e-Tax で申告書を電子提出
- 電子帳簿保存(または紙の帳簿の電子化保存)
3つすべてを弥生青色申告オンラインが自動でやってくれます。月1,210円のセルフプランで完結。所得税+住民税で年13万円〜30万円の節税効果。ROI 100倍超。
9-1. 申告タイムライン(1月→3月の月別TODO)
確定申告期間は毎年 2月16日〜3月15日。ただし準備は1月から始めるのが正解です。
月別TODOリスト
| 月 | TODO | 所要時間 |
|---|---|---|
| 1月上旬 | 源泉徴収票(副業者の本業分)受領 | 0.5h |
| 1月上旬 | 支払調書受領(取引先から) | 0.5h |
| 1月中旬 | 弥生青色申告で前年12月までの記帳完了 | 5h |
| 1月下旬 | 領収書・請求書を月別ファイル化 | 3h |
| 2月上旬 | 弥生で決算整理仕訳(減価償却・在庫・前払費用) | 2h |
| 2月上旬 | 決算書(B/S・P/L)出力 | 0.5h |
| 2月中旬 | 確定申告書作成(弥生から自動連携) | 1h |
| 2月中下旬 | e-Tax提出(マイナンバーカード必要) | 0.5h |
| 3月上旬 | 振替納税の口座確認 | 0.1h |
| 3月15日 | 申告期限/所得税納付期限 | – |
| 4月下旬 | 振替納税日(4/20頃) | – |
合計工数:約13時間。週末2回で完了するレベル。
副業者と専業者の違い
| 項目 | 副業者(給与+事業所得) | 専業者 |
|---|---|---|
| 必要書類 | 源泉徴収票+帳簿 | 帳簿のみ |
| 申告書 | 第一表・第二表+青色決算書 | 第一表・第二表+青色決算書 |
| 本業給与の扱い | 第一表「給与」欄に記入 | 該当なし |
| 住民税の選択 | 「自分で納付」を選択(副業バレ対策) | 自動で普通徴収 |
| 配偶者控除 | 配偶者の年収を要確認 | 配偶者の年収を要確認 |
e-Tax提出の必須アイテム
- マイナンバーカード:未取得なら今すぐ申請(発行に1ヶ月)
- ICカードリーダー or スマホ:iPhone・Androidでマイナポータル連携可
- マイナポータル連携:1回設定すれば次年度以降は自動
ハマりポイント:マイナンバーカード未取得で2月に気づくと、当年は 65万→55万 に控除減(10万円損失)。今すぐ取得しないと来年の節税効果が消える。
9-2. 弥生白色申告 vs 弥生青色申告の使い分け表
弥生は3つのプランを出しています。売上規模と帳簿習熟度で使い分けします。
プラン比較表(2026年4月時点)
| 項目 | やよいの白色申告オンライン | やよいの青色申告オンライン(セルフ) | やよいの青色申告オンライン(ベーシック) |
|---|---|---|---|
| 月額(年払) | 0円〜(フリープラン無料) | 1,210円(セルフ) | 2,420円(ベーシック) |
| 帳簿形式 | 単式簿記 | 複式簿記(自動) | 複式簿記(自動) |
| 青色控除 | × | ○ 最大65万円 | ○ 最大65万円 |
| サポート | × | 操作質問のみ | 操作+業務相談 |
| e-Tax対応 | ○ | ○ | ○ |
| 電子帳簿保存対応 | × | ○ | ○ |
| 推奨ユーザー | 売上300万以下/副業少額帯 | 専業の本命 | 帳簿初心者 |
URL(押さえておく)
- 白色申告: 弥生 白色申告https://www.yayoi-kk.co.jp/shinkoku/shiroiroshinkoku/
- 青色申告: 弥生 青色申告https://www.yayoi-kk.co.jp/shinkoku/aoiroshinkoku/
判断フロー
売上が年300万円超?
├ Yes → 青色(セルフ)月1,210円
└ No
├ 副業で帳簿が面倒すぎる → 白色(フリープラン無料)
├ 副業でも青色65万取りたい → 青色(セルフ)月1,210円
└ 帳簿初心者で相談したい → 青色(ベーシック)月2,420円
経済合理性の比較(売上300万・経費80万・所得220万のケース)
| プラン | 控除額 | 課税所得 | 所得税+住民税 |
|---|---|---|---|
| 白色 | 0万円 | 220万円 | 約34万円 |
| 青色65万円 | 65万円 | 155万円 | 約24万円 |
| 節税効果 | – | – | 年10万円 |
弥生青色のセルフプラン年14,520円を払っても、ネット節税8.5万円。ROIが効きます。
結論:副業でも売上が年100万円を超えたら 青色一択。月1,210円を惜しんで青色65万を取りこぼすのは年10万円の損失。
弥生「初年度無料」キャンペーン
弥生は新規登録者向けに 初年度無料のキャンペーンを継続中(2026年4月時点)。開業届と同時に登録すれば1年目はゼロ円で青色帳簿が組める。
- 弥生「やよいの青色申告オンライン」:弥生 青色申告https://www.yayoi-kk.co.jp/shinkoku/aoiroshinkoku/
- 弥生「やよいの白色申告オンライン」:弥生 白色申告https://www.yayoi-kk.co.jp/shinkoku/shiroiroshinkoku/
青色65万 vs 55万 vs 10万の差は何か
青色申告控除は3段階で、要件を満たさないと自動的に下がります。
| 控除額 | 要件 |
|---|---|
| 65万円 | 複式簿記+e-Tax提出 または 電子帳簿保存(いずれか) |
| 55万円 | 複式簿記のみ(紙提出) |
| 10万円 | 単式簿記(簡易帳簿) |
売上500万・経費150万・所得350万のケースで控除差を比較
| 控除額 | 課税所得 | 所得税+住民税 | 65万との差 |
|---|---|---|---|
| 65万円控除 | 285万円 | 約46万円 | – |
| 55万円控除 | 295万円 | 約49万円 | 3万円 |
| 10万円控除 | 340万円 | 約62万円 | 16万円 |
| 白色(控除0) | 350万円 | 約65万円 | 19万円 |
結論:紙提出(55万)は弥生で1クリックの差を惜しんで年3万円を捨てる行為。マイナンバーカード+e-Tax提出は今すぐ準備。
9-3. 副業20万円ルールの罠(住民税は20万以下でも申告必要)
副業の最大の誤解:「20万円以下なら申告不要」。
正しくは:所得税は不要だが、住民税は申告必要。これを知らずに何もしないと 住民税の脱税扱いになります。
20万円ルールの正確な内容
| 副業所得(給与以外) | 所得税の確定申告 | 住民税の申告 |
|---|---|---|
| 20万円以下 | 不要 | 必要(市区町村役所に申告書提出) |
| 20万円超 | 必要 | 不要(確定申告と一体) |
「20万円ルール」が使える条件(厳しい)
- 給与所得が 1ヶ所から
- 給与所得+退職所得以外の所得が 20万円以下
- 給与収入が 2,000万円以下
- 医療費控除・住宅ローン控除(初年度)等で確定申告 しないこと
確定申告すると20万円ルールは無効
医療費控除10万円や住宅ローン控除を受けるために確定申告した瞬間、副業の20万円ルールは消滅。たとえ副業所得5万円でも申告対象になります。
典型的失敗:「副業18万円だから所得税不要」と確定申告せず、住民税申告も忘れる → 数年後の税務署照会でバレて延滞税10〜15%上乗せ。
住民税申告書の書き方(自治体役所で5分)
- 役所HPから「市民税・県民税申告書」をダウンロード
- 給与所得欄に源泉徴収票の数字を転記
- その他所得欄に副業所得を記入
- 役所窓口 or 郵送で提出(提出期限は確定申告と同じ3月15日)
給与所得との損益通算(副業赤字が出た場合)
副業が事業所得で赤字なら、給与所得と損益通算可。
給与所得600万円 - 副業赤字50万円 = 課税所得550万円
税効果(所得税20%+住民税10%): 約15万円の還付
ただし副業が雑所得で赤字なら通算不可。ここで雑所得認定が致命的になる理由です(第8章参照)。
結論:副業赤字50万円を給与と通算するためにも、帳簿を弥生で組んで事業所得認定を取る。雑所得のままだと15万円の還付を取り逃す。
9-4. インボイス2割特例 vs 簡易課税 vs 本則課税の判断フロー
インボイス制度(2023年10月開始)で 「課税事業者になるか」「どの方式で消費税を計算するか」 の判断が必要に。
3つの方式の早見表
| 方式 | 計算式 | 適用条件 | 事務負担 |
|---|---|---|---|
| 2割特例 | 売上消費税×20% | 免税事業者→インボイス登録した人(〜2026年9月まで限定) | 極小 |
| 簡易課税 | 売上消費税×みなし仕入率(業種別) | 売上5,000万以下+事前届出 | 小 |
| 本則課税 | 売上消費税−仕入消費税 | 全事業者 | 大(仕入消費税の集計が必要) |
業種別の有利方式(売上1,000万・経費200万のケース)
| 業種 | みなし仕入率 | 2割特例 | 簡易課税 | 本則課税 |
|---|---|---|---|---|
| 受託開発・コンサル(5種) | 50% | 20万円 | 50万円 | 80万円 |
| 広告運用・Web制作(5種) | 50% | 20万円 | 50万円 | 80万円 |
| 業務設計コンサル(5種) | 50% | 20万円 | 50万円 | 80万円 |
| 物販(2種) | 80% | 20万円 | 20万円 | 80万円 |
| サービス業(5種) | 50% | 20万円 | 50万円 | 80万円 |
みなし仕入率の業種区分(よく間違える)
「自分はサービス業?コンサル?」で迷う人向け。国税庁の業種区分は次のとおり。
| 区分 | みなし仕入率 | 例 |
|---|---|---|
| 第1種:卸売業 | 90% | – |
| 第2種:小売業・農林漁業(軽減税率) | 80% | 物販・ECショップ |
| 第3種:製造業・農林漁業(標準税率) | 70% | 製造・建設 |
| 第4種:その他 | 60% | 飲食業 |
| 第5種:サービス業 | 50% | コンサル・広告・受託開発・Web制作・士業 |
| 第6種:不動産業 | 40% | – |
個人事業の99%は第5種(サービス業)でみなし仕入率50%。簡易課税で「売上消費税の50%」を納税。
大原則:2026年9月までは 2割特例が圧倒的に有利。受託開発・コンサル系で売上1,000万なら 年30〜60万円の差。
判断フロー(決定版)
売上が年1,000万円超?
├ No
│ ├ インボイス番号が必要?(BtoB主体?)
│ │ ├ Yes → インボイス登録+2割特例(〜2026/9)
│ │ └ No → 免税事業者のまま(消費税0円)
└ Yes
├ 売上が5,000万円以下?
│ ├ Yes → 簡易課税(事前届出必要)
│ └ No → 本則課税
└ 仕入が極端に多い特殊業種?
└ Yes → 本則課税で還付狙い
2割特例の終了タイミング
2割特例は 2023年10月〜2026年9月の3年間限定。2026年10月以降は 簡易課税 or 本則課税に切り替え必要。
2026年10月以降の選択肢
├ 売上5,000万以下 → 簡易課税届出(前年12月末までに届出)
└ 売上5,000万超 → 本則課税
要注意:2割特例の終了に気づかず2026年10月を超えると、翌年の納税額が3〜4倍に跳ね上がる。2026年9月までに簡易課税届出を忘れずに。
簡易課税の届出書
「消費税簡易課税制度選択届出書」を、適用したい年の 前年12月末までに税務署提出。これを忘れると本則課税が強制適用。
本則課税が有利になるケース(限定的)
- 設備投資が多く仕入消費税が大きい年(PC・カメラ・備品で年200万円超など)
- 海外売上比率が高い(輸出免税で売上消費税が0、仕入消費税のみ還付)
- 不動産取得など大型支出がある年
結論:個人事業の99%は 2割特例(〜2026/9)→ 簡易課税(2026/10〜) のラインで完結。本則課税は税理士相談案件。
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